(平岡)パンからビールをつくるには、まず「the Bread」を知っていただくことから始まりましたよね。
(岡田)「the Bread」を知らなくてはビールはつくれませんし、食べながらパンの個性を味わい、これがどう変わるのか、熱を加えたらどうなるのかなど、いろいろ考えながら進めました。発酵温度を見直したり、製法を改良したりして。実は今回の開発が私自身の成長にもなり、他のビールにもノウハウを活かせて、全体のレベルがぐっと上がりました。
(平岡)料理に合うビールということで、試作の度に奥様が様々な料理をつくり相性を試していただいたとか。
(岡田)実は妻が農業を10年前から三次で始めて、結婚と同時に私も仲間入りしました。ですから開発期間中は新鮮な食材に詳しい妻の手料理と試作のビールが食卓に上がっていました。晩酌しながら夫婦で意見を交換し合う感じでしょうか。女性目線の意見は貴重ですよ。
(平岡)ホップを岡田さんの農場でつくられているので微妙な味わいのチェックも厳しそうですよね。ホップはビールの苦味と香り、大麦は麦芽としてビールにコクと風味を出す重要な原料と言われています。
(岡田)ホップは蔓性の多年草で、毎年春先に芽を出し、収穫時期の夏には7m近く蔓を伸ばします。自分たちの手で栽培しているので、「the Bread」とうちのホップのコラボにも力が入りました。
生ホップ(フレッシュホップ)を使用することで、乾燥ホップでは得られにくい青々しい香りや爽やかさがビールに加わります。
また、収穫直後の新麦、特に秋に収穫されたばかりの大麦を使用した場合、熟成された麦芽に比べて雑味の少ない、軽やかでフレッシュな味わいになる傾向があります。
その年ならではの“旬の味”としてお楽しみいただけるのが特徴です。